こんにちは。
はるき ゆかです。
久しぶりの読書感想文、書きます。
昨日の夜にやっと読み終えることが出来ました。
昭和の時代に日本を震撼させた「グリコ森永事件」をモチーフとしたフィクションです。
株の知識がゼロなので、始めの方はググってばかりだったのが残念すぎる私…。
もしかしたらこれが真実?
読み進めていくうちに、本当にこれが真相なのではないのかと思わせるほどでした。
グリコ森永事件をギンガ萬堂事件と名前を変えてはいますが、頭の中では完全にグリコ森永事件として読んでいました。
グリコ・森永事件(グリコ・もりながじけん)とは、1984年(昭和59年)と1985年(昭和60年)に、阪神を舞台に食品会社を標的とした一連の企業脅迫事件。
警察庁広域重要指定114号事件。犯人が「かい人21面相」と名乗ったことから、かい人21面相事件などとも呼ばれる。
[引用元]Wikipedia
平成生まれの方でも、「キツネ目の男」の似顔絵は見たことがありますよね。
何とも言えない冷たい感じの目つきと人相。
バッチリ防犯カメラにも映っているのに、なぜ捕まらなかったのでしょうか。
そして、現金の受け渡し指示をするテープの声が、小さな子供の声であったことはご存知ですか?
本書は、その「子どもたちの現在」を中心に物語が展開していきます。
TVの未解決事件特集などで必ず出てくるこの事件は、子供が好きなグリコのお菓子に青酸ソーダを混入させたという卑劣な事件。
大きな意味で日本中の子供が被害者となった事件です。
本書では、「かいじん21面相」を「くら魔天狗」。
グリコをギンカ、森永を萬堂、丸大食品を又市食品、ハウス食品をホープ食品、不二家を鳩屋、駿河屋を摂津屋と呼び替えています。
著者の塩田武士氏は、完全にフィクションと言われていますが、もしかしたらこの本の中に書かれていたような状況であれば、犯人がたくさんの証拠を残しながらも警察が「一網打尽」(←これキーワードです)に出来なかったのがわかる気がします。
上でも書いた通り、読み始めは話の進み方がゆったりとしており、株の知識がゼロの私は、登場人物の多さと相まって行きつ戻りつしながら読み進めました。
まだこれから読まれる方は、予定のない土日などに一気読みされることをおすすめします。
グリコ森永事件は関西で起きた事件でもあり、関西人の私自身、土地鑑もあって、そこはとても読みやすかったです。
しかし、登場人物があまりにも多く、名前も一般的な感じなので…外国の文学作品にあるような登場人物の紹介を冒頭につけてもらえるとありがたかったかも。
505ページからラストまで涙が止まらない
本書は文庫本で、500ページを超える作品なのですが、505ページからラストのエピローグまで、涙が止まりませんでした。
この部分は家の中で読んだので、よかったです。
みなさんも、505ページから先は、電車の中やカフェで読まない方が良いと思います。
子供を巻き込んだ本当に怖ろしく悲しい物語です。
しかし、ラストは救われる部分が多く、読後感は悪くない作品です。
冷徹な人間と同じくらいに、人情味あふれる人物もたくさん登場します。
グリコ森永事件の真犯人たちは、この小説を読んだのでしょうか。
そして、あまりに真実に近く、驚いているのではないでしょうか。
そんな気持ちにさせられるほど、読み進むうちに「これが真実に違いない!」と思ってしまいます。
映画化決定!2020年公開
私は小説を読むときは決まって、登場人物に俳優さんを当てはめて読むのですが、本書は既に映画化が決定されており、来年公開となっています。
大日新聞記者・阿久津英士を小栗旬さん。
テープの子供の声の主であり腕のいいテーラー・曽根俊也を星野源さん。
ふたりともぴったりだと思います!
映画、絶対観に行きます。
他のキャストはまだ発表されていませんが、キーパーソンとなる人々がたくさんいるので、今からとても楽しみです。
願わくば、関西人としては関西弁の上手な俳優さんだといいなと思います。
『罪の声』最後に
久しぶりに読み応えたっぷりな本に出会えました。
そして、どちらにしても、いろんな知識があってこそ小説を読む楽しみが倍増するのだと本書を読んで感じました。
いろいろ勉強します…。
グリコ森永事件をリアルタイムで体験した方にも、事件後に生まれ、TVや著作物で事件を知った方にも、どちらにもおすすめの一冊です。
何度も言いますが、できるだけ一気読みで!
以下の記事も合わせご覧ください。
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