先ほど『コンビニ人間』読み終わりました。
中編なので、カフェでコーヒー飲み終わる頃には読み終えられそうな感じです。
清潔なコンビニの描写
コンビニの中のシーンはとても清潔感が漂い、活気と光に溢れた描写が続きます。
とても気持ちがいいです。
村田沙耶香氏が本当にコンビニでバイトをされていたそうなので、描写が微細に渡りすばらしい。
まず、「解説」にありましたが、これはハッピーエンドかバッドエンドか?と問われれば、私は断然ハッピーエンド派です。
(これは、1つ前に感想を書いた『死刑でいいです』(←よろしければあわせて読んでみてください)の影響が大きいということは自覚しています)
この小説には、白羽さんという強烈なキャラの人が登場します。
声出して笑ってしまったところ多数です。
まあ、いわゆる「クズ」なんですけど。
『コンビニ人間』の中に、主人公の古倉恵子が、友人たち夫婦と日曜日にバーベキューをするシーンが出てきます。
これって、デジャヴュかと思いました。
ある日の出来事
私には、ほぼ同じ経験があります。
私はその時29歳でした。
大学時代の友人同士で結婚した友達の家に集まってバーベキューをしました。みんなで8人位です。
そのときに、友人のご主人が、ご自分の会社の後輩を私に紹介してくれようとしたのでした。
酔った勢いで。有名大卒の一流企業にお勤めのりっぱな方でした。
仕事も出来る方のようで、自慢の後輩だったようです。でも、私は結婚できないのでやんわりお断りしたら、
「見た目が気に入らないの?もう、30近いくせに、そんな贅沢言ってていいのかよ」って。ね。
私は、その方の見た目が気に入らないなんてひとことも言ってません。
ただ、言う人は言うかもしれない容姿の人ではありました。
写真見せられたんですけどね。
それは、ご主人(昭和のアイドル風イケメン)が普段その後輩の容姿についてそう思っていることを白状したようなものです。
でも、友人のご主人は、私が結婚できない理由も知らなかったから仕方ないんです。
ただ、一気にその場が嫌な雰囲気になりましたよね。
友人たちは私が結婚できない理由を知っていたので、ご主人、そのあと、こてんぱんにやられてましたけど。
でも、確かに私の友人たちは、大学を卒業して2~3年ほど働き、24歳~25歳くらいで結婚して、30歳になる前に出産している人がほとんどです。
みんな「普通」にちゃんとしている子が多いです。
私は「普通」じゃないことを自分でもわかっています。
人にはいろんな事情があります。
ただ、将来、家で孤独死だけは避けたいとは思っています。希望の死に場所は病院です。
「普通」じゃない人が「普通」じゃなくても、特にその人に被害が及ぶわけじゃなくてもなぜ人は「普通」を相手に求めるのでしょうね。
本気で相手を心配している人もいるのでしょうが(家族と本当の友達くらいか)、自分の「普通」さを自分の尺度ではかった「普通」じゃない人のことを「お前は『普通』じゃない」と言うことで自分の「普通」に安心しているのかもしれませんね。
ただ、「普通」じゃないことに理由があればまだ救われるけど、「普通」がわからない人は生きづらいだろうなと思います。
でも、古倉恵子は、幸せそうです。コンビニ店員として、きっとまた必ず光り輝く日々が訪れることは約束されているから。
しかし、あれだけ白羽さんをこき下してたコンビニの店長や店員さん、勝手に古倉さんが白羽さんとつきあってるって思い込んで「お似合い」となどとはしゃいだ人たちの方が「普通」じゃないと、私は思います。
最後に
私にとっては、気持ちがすっきりする素敵な本です。
おすすめします。