『ラストナイト』感想 著者 薬丸岳|結末に驚愕し涙する

こんにちは。

はるき ゆかです。

 

先ほど、薬丸岳著『ラストナイト』読み終わりました。

悲しい過去を背負った5人の人間の視点から、一人の男がなぜ罪を重ね続けるのか?を描いています。

最後の夜、その理由がわかります。

結末が切なすぎて、涙が溢れます。

「ラストナイト」 あらすじ

居酒屋「菊屋」に刑務所から出て来たばかりの片桐が現れる。

主人の菊池と片桐は35年前からの友人である。

片桐は顔面にヒョウ柄の入れ墨を入れるという、異様な容貌で犯罪を繰り返していた。

そんな片桐が初めて犯罪を犯したのは、「菊屋」での傷害事件だった…。

しかし、それは菊池の店と妻を守るために起こした犯罪であった。

 

それ以降、片桐は人が変わったように犯罪を重ねていく。

なぜ、片桐は罪を重ねていくのか?

それを、菊池正弘、中村尚、松田ひかり、森口絢子、荒木誠二という5人の視点から描かれていく。

不器用な男の人生

片桐は、なぜ顔にヒョウ柄の入れ墨をいれたのか?

なぜ、次々と罪を重ね続けるのか?

 

もともとは、ラーメン店を開くことが夢の愛妻家で家族を大切にする好青年だった片桐。

生まれついての悪人ではない彼の周囲にいる人は、皆、彼を心にかけています。

 

そんな周囲の人たちの気持ちを裏切ってまで、片桐には貫きたいものがあって…。

 

ラストは本当に切ないけれど、きっといつか5人目の視点・荒木誠二の手で、片桐に気持ちを寄せた人々に真実が語られるはずだと信じたいです。

家族を奪われるということ

本書の大きなテーマは「家族愛」だと言えると思います。

ここまで、自分を追い詰めて貫き通すのは愛する家族を思えばこそですが、もし自分が同じ立場だったらどうだろう?と考えさせられます。

本書に出てくる人物はみな、それぞれが家族への愛のために生きています。

そして、それぞれの形の悲しみを背負っています。

切ないが読後感は悪くない

読みながら、これは一体どういうことなんだろう?と頭の中にたくさんの「?」が沸き上がってきて、先読みができなくなります。

 

同じ時系列を5人の人物の視点で描かれていくのは、やや混乱するので一気読みすることをおすすめします。

250ページほどの中編小説なので、時間のある日にぜひ。

 

薬丸岳氏の著作は、今回初めて読んだのですが、ドラマ化や映画化されている作品が多いようです。

『友罪』、『Aではない君と』、『悪党』、『死命』、『天使のナイフ』などです。

本書『ラストナイト』も、ぜひ映像化を希望します!

ヒョウ柄の顔の片桐を演じる俳優さんは、かなり大変だと思いますが…。

 

結末は切ないですが、本当は悪人ではない片桐がやっとこれで楽になれるのかもしれないと思うと、読後感は悪くはありませんでした。

最後に

薬丸岳著「ラストナイト」の感想でした。

どなたにもおすすめしたい一冊ですが、ラストはお家で読まれること推奨です。

涙もろい方は大変なことになってしまいますので、電車の中などでは読まれませんように!