『紗央里ちゃんの家』感想 著者 矢部嵩|限りなく続く違和感

こんにちは。

はるき ゆかです。

 

先ほど、矢部嵩著『紗央里ちゃんの家』読み終わりました。

ホラー小説です。

それもかなりグロテスクな。

『紗央里ちゃんの家』 あらすじ

小学五年生の僕は、毎年夏休みに従姉の紗央里ちゃんの家に泊りがけで遊びに行く。

しかし、今年は姉が受験なので、母と姉は家に残ることになり、父と二人で泊りに行くことに。

数か月前、祖母が風邪をこじらせて死んだと叔母から父に電話があった。

葬式も済ませたという。

父は電話口で怒っていたが、それ以上は、何も聞かずに電話を切っていた。

紗央里ちゃんの家についた二人は、玄関で叔母に招き入れられるが、叔母の腕は血で真っ赤に染まり、従姉の紗央里ちゃんもいなくなったと言う。

何を聞いても、はぐらかされるばかりで、僕はこっそり家の中を捜索することにしたが…。

最後まで違和感が付き纏う

まず、怖いのが、私はこの本を買った覚えが一切ありません。

積読本は、恐ろしいほどあるのですが、表紙や初めのページを少し読むと「あ!」となるのですが、この小説だけは全く買った覚えがないのです。

本棚を整理していたら、なぜか出てきて中編小説なので読んでみようかと思い、最初の2~3ページでちょっと後悔しました。

途中で読むのを止めようかと思うほど、グロテスクな内容なのです。

私は、ホラー小説は嫌いではありません。

貴志祐介著『黒い家』や大石圭著『呪怨』はゾクゾクしながら楽しめましたし、岩井志麻子著『ぼっけぇきょうてい』も「史上最強の後味の悪い怖い話」として楽しませていただきました。

しかし、本書はちょっと違うのです。

あらすじだけ読むと、普通のスプラッターなホラー小説ですが、全編、違和感が付き纏います。

本格的なホラー小説がお好きな方には、「???」な感じかもしれませんが、この違和感が本当に怖いです。

人が怖いと感じることのひとつに「普通じゃない」というものがあると思っています。

「普通」って何だろうと言われたら答えられないけれど。

しかし、久しぶりに遊びに行った親戚のおばさんが血だらけなのは普通じゃないし、おばあちゃんが亡くなったことを自分の兄に知らせないのも普通じゃない…。

全編を通して、本書は「普通じゃない」のです。

シュールで不条理

グロテスクな表現が多い本書ですが、最後まで読めたのはこの「違和感」があったからだと思います。

最後はどんな結末が待っているのかが気になって読み進めてしまいます。

家で30分、カフェで2時間ほどで読み終われるくらいの分量でした。

本書には、普通の「怖い」を求めてはいけないのだと思います。

シュールで不条理だからこそ、グロテスクでも最後まで読めた…そして、ずっと違和感しか残らないです。

さらに、最後の一文だけが、普通なのもさらに怖さを引き立てていると思いました。

最後に

本書に関しては、全面的におすすめします!とは、言えないのが残念です。

読後、しばらく、焼き肉食べられなくなる人いるかも…です。

私は、カフェでコーヒーを残してしまいました、smallサイズなのに。

それでも、読んでみたいスプラッター小説ファンには、この「違和感」を感じてみてほしいなと思います。