『三日間の幸福』感想 著者 三秋縋|寿命の値段の基準とは?

こんにちは。

はるき ゆかです。

 

先ほど、三秋縋著『三日間の幸福』読み終わりました。

想像していた作品とは、かなり違っていました。

もっとライトでファンタジーなラブストーリーかと思って読み始めてしまったので…。

『三日間の幸福』 あらすじ

残りの寿命があと30年の青年・クスノキは、30万円で自分の寿命を売ってしまう。

1年がたったの1万円。

クスノキの残りの人生には、特別良いコトが何もないらしい。

未来を悲観して寿命のほとんどを売り払ってしまったクスノキは、あと僅かな余生を幸せに過ごそうとするが、ことごとく裏目に出てしまう。

そんなクスノキを醒めた目で監視する「監視員・ミヤギ」

彼女のために生きることが一番の幸せだと気づいた時には、クスノキの寿命は二か月を切っていた…。

人生の値段

あなたは、自分の残りの人生の値段がいくらくらいなのか…知りたいと思いますか?

そもそも何を基準に値段が決められるのかが疑問ですが。

平凡な人生の値段は激安で、歴史に名を残す人生が高額なら、ほとんどの人が激安な人生ということになってしまいますね。

物語の結末を考えれば、仕方がないのですが、そこにはちょっと感情移入しきれない自分がいました…。

 

もっと軽い感じで読める小説なのかと思って気軽に読んでみたら、なかなかに重い内容の物語でした。

「命」を扱う文学は、文章の読みやすさがあったとしても、やはりライトな小説にはなりえないのでしょう。

また、ネタバレなしで、感想を書くのがとても難しい小説です…。

 

しかし、最後の「三日間の幸せ」を選んだクスノキは、潔くかっこいいと思いました。

 

重い内容ですが、この小説は、私はハッピーエンドだと思っています。

いつもいつも、ハッピーエンドかバッドエンドかを決める必要もないのかもしれませんが。

 

きっと、この小説は、人生の残りが多ければ多い人ほど心に刺さる小説なのだろうなと思います。

そして、私はそれほど長生きしたいと思っていないので、残りの人生の半分くらいは(値段が激安なことは確定ですが)売ってもいいなと思いました。

最後に

こういうタイプの小説を読んだのは初めてだったのですが、正直に言うと、私が小説に求めるものとはちょっと違ったかなと思いました。

人によって、感動の振り幅がかなり広い小説だと思います。

いろんな小説を読んで、感想を書いていきたいので、自分の好きな傾向の小説や作家に偏らないように(本当はものすごく偏った読書をしています)、これからもいろいろ読書しようと思います。