押川剛著「子供を殺してくださいという親たち」読み終わりました。
私にとっては、かなりきつい内容でした。
私も、この本の中に出てくる人たちと同じ様になっていた可能性がゼロではないからです。
父の死
私は4人家族でした。両親と兄と私。
私の両親は既に亡くなっています。
二人共、今の日本の平均寿命から考えるとかなり早い死だったと思います。
母の死に目には会えましたが、父の死は突然だったのと不幸な偶然が重なり、父はたった一人で天国へ旅立ちました。
今でも、本当に申し訳なく、後悔してもし切れないです。
父は私をとても可愛がってくれましたし、父と私は、犬や植物や物を作ることが好きだという共通点がたくさんありました。
休日には、よく二人でいっしょにホームセンターに行って、ドッグフードを選んだり、お花の苗を買いに行ったりしていました。
「ドッグフードは無添加がいいね」「今年は白いお花だけを植えて、春にはホワイトガーデンにしよう」
今でも昨日のことのように思い出します。
そして、父はとても優しい人だったので、子供や動物にとても慕われる人でした。
近所の噛み癖のあるわんちゃんも父にはしっぽを振って頭を撫でさせてくれました。
父は母をとても愛していたと思います。
誕生日には必ずプレゼントしていましたし、母の言うことに反対することは殆どなかったです。
どんなに理不尽な要求であっても。
私は母とはあまり仲が良かったとはいえません。
詳しくは書きませんが、父がいなかったら、私は生きていけなかっただろうなと思います。
私は子供の頃、すでに母に対しては、ある時期からいろんなことを諦めていましたから。
家族の肖像
「『子供を殺してください』という親たち」の中には、両親との関係がうまく行かず、心の病を発症した人たちがたくさん出てきます。
これは、他人事ではないと思いました。
私には父がいたので、何とか母に「この子を殺してください」と押川氏に頼まれなかっただけかもしれないと、本気で思います。
もちろん、親に虐待されていた人の全てが精神を病み、自傷他害行為に及ぶとはいいません。
私の友人は、ほとんど両親の愛に溢れた家庭で育った人ばかりですが、友人の中には、ネグレクトや言葉の暴力など、虐待を受けていた人もいます。
彼は、一生結婚はしないと言っています。
「親に愛されたことがないから自分の子供を愛する方法がわからないんだ」と。
でも、彼はひねくれたところもなく、とても魅力的な素晴らしい人格の持ち主です。
分かれ道はどこにあるのでしょうか。
最後に
『「子供を殺してください」という親たち』の感想でした。
子供は親を選べません。
そして、親になるべきではない親も確かに存在します。